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四角い太陽、変形太陽、原理のふしぎ!

By 21:50:00 , ,

さかずき型太陽。四角い太陽と同じ日に現れた
*この記事は旧サイトで「四角い太陽、変形太陽。その1(原理のふしぎ)」と題して公開したものを転載しました(original update on August 31, 2014)

 札幌から斜里に引っ越すことが決まったとき、冬には流氷もやってくるという陰鬱なオホーツクの空の下、最果ての名前もよくわからない町(当時はそのような印象だった・・・)へ行く私をあわれんだ友人二人が何冊か本を買ってくれた。
そのうちの一冊が「ことりっぷ 知床・阿寒・釧路湿原」というガイドブックだった。普通のガイドブックより情報量は少ないが、カフェや街歩きなど、女性むけの内容で評判の「ことりっぷ」シリーズ。なんと、別海町の紹介ページ2ページ中、半分の1ページをどーんとつかって「四角い太陽」が紹介されている。


 このように別海町では「四角い太陽」を観光資源として売り出していて、道の駅おだいとう内にあるカフェレストランの名前は「四角い太陽」。(オープンのときNHKニュースでほたてバーガーを紹介していたが、私は後ろの看板が気になって仕方なかった・・・)町のパンフレットにも必ず四角い太陽の写真が使われており、まさに「神扱い」。この別海町民?の愛情のおかげか、北海道・道東といえば四角い太陽、という印象もだいぶ世の中に広がってきているように思う。

 別海の四角い太陽は、おおむね次のように紹介されている。「野付湾付近で、厳冬期の朝に太陽が四角く変形して見える自然現象。海面上と上空の温度差によって起きる蜃気楼で、シーズンに1、2度しか見られないが、運がよければ太陽の不思議な姿に会える」(前述の、ことりっぷ 第一版 P74より)。

 では、次の映像を見て欲しい。これは、われらが観測部長が昨夏、斜里から能取岬沖に沈む夏の夕日を撮影した動画。時間のある人は、できれば2本をじっくり見比べて。

20130607太陽の蜃気楼 加藤宝積


20130610太陽の蜃気楼 加藤宝積
 

 この映像と、さっきの別海の四角い太陽の説明を見比べて、いくつか「はて?」と疑問を持つ人もいるかもしれない。まず一つ目は、「あれ、厳冬期に四角い太陽が出るんじゃなかったの?」

 さらに理屈っぽい方。「海面上と上空の温度差によるって言ってたけど、6月10日のは、だいぶ高いところにある太陽が変形しているように見えるけど?」

 などなど・・・

 まず、ひとつめの疑問。厳冬期にしか四角い太陽が出ない、というのは勘違い。(もちろん別海が間違ったことを言ってるわけではなく、単に別海町では厳冬期に多く見られるというだけ。この「季節の話」は、またあとでしたい。)

 そして、この2つの動画を見てもわかるように、「四角」だけではなく、実に多彩な変化をみせるのはなぜか?実は変形する太陽は、「海面上と上空の温度差」でできる単純な蜃気楼とちがって、他にもさまざまな要因が組み合わさって私達の目に届いている現象なのだ。

 この複雑さの一端を、私が理解するきっかけになったのが次の記事。


 ちょっーと記事の文章は難しいかもしれないけど、奥尻島と太陽の位置関係を示す図に注目して欲しい。この記事を参考にすると、斜里の6月10日の動画(下)には奥尻島と同じような説明がつけられる。能取岬が蜃気楼化していないことから、蜃気楼の原因となった「逆転層」は、能取岬より遠く(しかもだいぶ高いところ)にあるのでは?と推測できるのだ。

 さらに、動画(上)の6月7日では、手前に能取岬が映っており、しかも蜃気楼化して「網走怪獣」のシルエットが映っているから、蜃気楼の原因となった空気層は、能取岬より手前にあったと考えられる。

 また、この記事でも「答えのひとつ」としているように、太陽と観測している私たちの間には壮大な距離があるので、ほかにも「大気差」の影響など、いろいろな影響を考慮しなければ、正確な説明はつけられない。

 四角い太陽・変形太陽の原因のすべてが、わかりやすく体系的に整理される日は永久にこないのかもしれないけど、それだけに宇宙のロマンまで感じさせてくれるような、特別な現象であることは間違いない。
 

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