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不知火は不知火じゃけん(不知火紀行・中)

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蜃気楼のことを調べたければ、資料の生息地は博物館である。気象現象なのに気象台では相手にしてくれず、レアモノに心の広い博物館の出番となるためだ。

不知火、博物館。で検索すると、目指す熊本県、熊本市立の熊本博物館に、不知火の展示があようだ。


よし、最初はここへいこう。


熊本市立熊本博物館★キッズページ★
不知火の展示がある!




熊本市にレンタカーで到着。くまモンスクエアにもよらず、熊本城を素通りし・・・駐車場から博物館へ直行(熊本城敷地内にある)。

心を高鳴らせながら、敷地の石塀に沿って歩いていると、アナウンスが・・・

「ただいま、常設展示室は全面リニューアルのため閉鎖しており、プラネタリウムと企画展のみご覧になれます。次回のプラネタリウムは・・・・」

きんこんかんこーん。

って、閉鎖中だったのかー。。。とりあえず企画展を見ながら心を静める。

でも、せっかくここまで来たんだし。そうだ、受付の人に話を聞いてみよう。

博物館の職員は、変な話を持ち込まれるために存在するのだ。

ちょっとくらい変な話をして困らせても、よほどのことでは怒らないはず

・・・とよもや自分が困らせる側になるとはあまり想定していなかったが、日ごろの接客と逆の立場になるだけだと思えば気持ちは軽かった。

心を決めて、入り口のほうへ戻ると、さっきまでプラネタリウムの開始時間でにぎわっていたロビーは職員の数も減り、さわやか九州男児っぽい青年が青いTシャツ(アップルストア風)を着て一人DELLのノートパソコンを開いていた。

「あのう、ちょっと常設展示のことでお聞きしたいんですけど(スマホで先ほどのページを見せる)

この展示を見たかったんですが、実際に覗いて見られるような実験装置とか出してるんですか・・・?」

(展示パネルの黒いところが覗き穴かと思っていた)

男児「あ、お?えーーーーー???不知火、不知火、あ、あったかなぁ・・・・あっ、理工学、のところにあったか?と思うんですが・・・そんなに大きくは。。。何か実際に見られるような感じでもないですね。。。黒いのは、写真、だったかな・・・」

(いえいえ、いいんです、意外に毎日通っていても、展示物全部覚えてないですよね、はは)


「そっかー、写真なんですね。。。実は私、蜃気楼のことを調べていてかくかくしかじか、北海道から来たんです」

男児「えー北海道から!」(中略)


まあいろいろ楽しく話しに付き合ってくれたのですが、以後核心のみで進めます。。。


「地元の方は、不知火って、どういうイメージなんですか?蜃気楼とか、そういうかんじ?」

男児「あ、はい、そうです、蜃気楼とか、神秘的なイメージですね」

(そ、そのニュアンスだと、私達の思っている蜃気楼じゃないほうのイメージだな。。。)

(しつこく追撃)

「富山で見える蜃気楼とか、そういうのの仲間、という感じはありますか?」

男児「えっ、いやっ、不知火は不知火じゃけん・・・・

そういう、感じはないですね・・・・」

(ちょっと困った様子)

(・・・やはり困らせてしまった・・・)


実はこの青年、目指す不知火の本場、八代海に面する八代市ご出身とのことで、ご両親は海の近くで育ったため、不知火も何度も見たことがあるという話!

ご本人は見たことが無いものの、そのような話は良く聞いているそうで、ご両親は、昔のほうが良く見えた、と言っているらしい。

この後行こうとしている宇城市不知火町のこと、永尾剣神社(えいのおつるぎじんじゃ)のことも、すらすらと教えてくれた。

最寄の「松橋(まつばせ)駅」には、今年の不知火の日(八朔の日)が何日か、という看板が年中掲示してあるという話も。


ただ、彼の不知火は不知火じゃけん・・・・


の発言が象徴するように、科学的な現象だ、という認識は、あまり無いようだった。これは前出の内田康夫の本とも一致する。

残念なことに、この理工学コーナーにあったと思われる不知火の展示も、リニューアル後にはなくなるかもしれないとのこと。

あまり、不知火の蜃気楼的(科学的)側面、が、現在、流行って語られている状況にはなく、とくに教育普及しようという時期でもないのだろう。

それにしても、展示内容やキッズ向けページを見ると「光学的現象」と堂々と宣言しているのに、地元には全く浸透していない様子が、彼の一言を聞いただけで伝わり、大変感激したヒアリングとなった。

予想以上の収穫で、あまりの嬉しさにニヤニヤしながら退出した(これは私の職場でも良く見る風景だ・・・)ため、博物館の概観を写真に収めるのは忘れてしまった。

・・・のでカバー写真は、(適当に1枚だけ撮った)熊本城です。










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